【短編】HIKARI
「っ…………。」
気がついたら生暖かいしずくが頬をつたっていた。
あたし、全然わかってなかったね。
石田の呆れるくらいのお節介。
それをただの「ウザい」だけで片づけていた。
しつこくてうっとうしいと思うだけだった。
石田は他の教師より真面目。
そうとしか見てなかった。
その裏に隠されたあたしたちへの思いやりにも気づかずに。
あたし、分かったような気になって
本当は全然わかってなかったんだ……………。
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