生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜
「千紗、良かったね」
「ホントに良かった。雄太郎、ありがとう」
「うん!……え?い、今何て言った?」
「ホントに、良かった?」
「違うっ!その後!!」
「…………何も言ってないわよ」
「ウソだー!!さっき絶対『ありがとう』って言ったよね?ね?!」
「空耳、じゃないかしら?」
「言ったもんねー!!」
「はぁー」
私だって普通にお礼くらい言うわよっ!
常識のある普通の高校生よ!!?
「タク。卒業式の打ち合わせしましょう」
「あぁ。そうだな。
……笠井、そこの青ファイル取ってくれ」
「んー?コレ?」
「そう。ソレ」
「よし!……あ、タツキさんは、ちぃの反対側に座ってぇ」
タツキは静かに私の反対側に座り、ミドリはファイルを抱えタクの隣に座った。
見事に雄太郎を空気のように扱うメンバーに、タツキは若干驚いているけど空気を読み何も言わない。
「ご、ごめんなさいーっ!!!」
雄太郎の叫び声と共に、卒業式への会議が始まった。