生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


 雄太郎やタクに協力してもらうこと?

 それとも、タツキにすべてを話すことなの?

 協力してもらったって、すべてを話したって、何も変わらない。

「ミドリちゃんとケンカでもしたの?」

「……え?」

「二人とも泣きそうな顔してますけどぉ」

「あっそ。……で、啓輔は?」

「うーん……、休み?」

「休みなわけねぇだろ」

 後ろから不機嫌そうな声が降ってきた。

 振り返れば、声の通り眠そうに欠伸を噛みしめ、頭をグシャグシャにする啓輔の姿。

 こんな適当な幼なじみが頼りになるなんて、ね。

 笑っちゃうけど、それは事実で感謝してることも確かなこと。

 気が緩んでしまえば、泣き叫んで「助けて」と言ってしまいたい。

「今日、雨降るんじゃない?」

 なんて軽口を叩きながら、泣きそうになるのを噛み締めた。




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