生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


「……うっ」

「千紗?」

 不意に聞こえた優しさを含めた心配そうな声。

 隣で布団が動く音が聞こえ、タツキが起き上がったのが分かった。

「大丈夫?気持ち悪い?」

「大丈夫……」

 優しく背中をさすってくれる温かくて大きな手が、吐き気を緩和してくれる。

 あぁ、この温かさを失いたくない。

 そう思ったら、急に抱きしめたくなって、抱きしめてほしくなって。

「え、千紗?」

「……好き。好きよ。愛してるの。だから私から離れないでっ…」

 すがるようにタツキに抱きつけば、ふわり、と優しく私を包み込んでくれる。

「安心して。俺はもう千紗から離れられないくらい愛してるんだから」

 わあっと。

 私はタツキの腕の中で、子どものように泣きじゃくった。




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