生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


『たっちゃん?』

「何を知ってる」

『話が全く分からないんだけど』

「それはこっちのセリフだ、雄太郎」

『っていうか、何でそんなに怒ってるんだよっ。状況を説明してくれなきゃ、俺だって説明できないでしょ』

 雄太郎に当たってもしかたないのにな、と自分自身を嘲笑い、細く長く息を吐き、気持ちを落ち着かせた。

「………昨日のあの宣言はどういう意味?」

『昨日?……あぁ、「一緒に帰る」ってやつ?』

「俺に宣戦布告ってこと?」

『え?そんなわけないじゃんっ。何が楽しくって、異母兄弟のたっちゃんの女を取らなくちゃならないんだよ。俺は、昼ドラみたいなドロドロは苦手なの』

 雄太郎は千紗のことを好きじゃないなら、どうしてあんなこと言ったんだよ……。


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