生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


「ねぇー、話してよ」

「は?何なんだよ」

「何で、千紗保健室来たんだよ」

「体調不良だって言っただろ」

「じゃあさ、何で千紗の頬が赤いの?あれってさ、ビンタでしょ?」

 「さあな」と。
 話をはぐらかす石谷は、空になったマグカップに、またインスタントコーヒーの粉を入れた。

 トポトポとマグカップに注がれるお湯の音を聞きながら、自分のマグカップに口をつける。

 こいつは絶対口を割らない気だな。

 それか、ホントに知らないか。

「どうせ、知ってるんだろう?千紗と雄太郎のことだって」

「まあな。それは、知ってる」

「そういえば、さ。この前も、ミドリさんと千紗、保健室で寝てたんだよね。石谷はいなかったけど」

「へぇ。そんなことが」

 さぐりさぐり石谷の表情を見るが、これといって変化はない。

 ハズレ、か……。


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