生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜
生徒会長に任命します!


 2学期がもう終わる終業式。

 私は2年生の校舎を闊歩する。

 時刻は、だいたい午前7時15分。

 人に聞かれちゃならない用事だからこそ、二人きりになれるこの時間帯を選んだんだけど。

 12月ともなれば、体の芯から凍る寒さ。

 そんな中、私はひとつひとつ教室を見て回る。

 何でかって?

 それは、その子がどのクラスだか忘れたからに決まってるじゃない。

 そうこうするうちに、目的の子発見。

 その子は、自分の席に座り本を読んでいた。

 ガラガラと、一応遠慮したつもりだけど、その子は本から顔を上げて。

「おはようございます」

 と一言。

 なるべく距離を詰めて。

 そして、笑顔を忘れずに。


「井上 楓。
あなたを生徒会長に任命します!」


◆……End



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