生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜
「起きた?」
「…………」
え?まさかのまさかで不機嫌ですか?
うん。こんな時間に起こしたのは俺が悪いよ?悪いけどさ……。
「はっくしょん!」
「え?」
「んー、よく寝た。何時?」
「11時半だけど?」
「うん?タツキ、おかえりなさい」
「あ、うん。ただいま」
不機嫌じゃなくて、くしゃみがしたかっただけ?
しかも、おかえりなさい、って……。いつも、おかえりー、だったよな?
「タツキ…」
寝起きだからなのか、いつもよりトロンとした声で俺の名前を呼ぶ。
下ろした髪の毛がさらに色っぽく感じさせる。
「なに?」
明るい茶色の長い髪に、指を通しながら千紗を見れば、ふっと笑った。
ふわり、と千紗愛用のシャンプーの匂い。
俺の胸の中には、千紗がいる。
「ち、さ?」
「んー?」
「熱でもある?それとも寝呆けてる?」
千紗は、俺に預けていた身体を起こしながら眉をよせた。