ピンクの小指


「ひっくっひっくっ…お兄ちゃんと…ひっ…元くん…ひっ…探検に行くって…ひっ…ひっく…翠は…ジャングルジムも…ひっ…登れないからダメって…ひっ」


「それでおいて行かれちゃったのね。…翠はお兄ちゃんが大好きだから一緒に行きたかったのね。」


「うん…ひっ」


「よしよし。もう泣かないで。翠。 おいで。お母さんね、翠に似合いそうな生地買って来たのよ。ピンクの水玉模様の。翠はピンク大好きだもんね」

「うん。ピンク大好き」

「じゃあ、翠が大好きなピンクでワンピース作るわね」

「うん。ピンク着て翠、お姫様になれる?」

「もちろん。翠はどんな色を着てもお姫様よ」


「わーい!お母さん大好き!」

「お兄ちゃんは?」




< 13 / 25 >

この作品をシェア

pagetop