ライフ ライセンス

健人の事を考えてるのは私だけじゃないのかもしれない。

「待つことが必要な時も有ります。
只、学校に来ていない間、健人君が非行に走らない様に、それだけ見て頂く事をお願いします。健人君はクラスでもリーダー格ですし直き学校に戻ってきますよ。」


そしてまた穏やか過ぎる笑顔を向けて先生は言った。
「私が小三の時に親父が蒸発しちゃったんですよね。私が健人君の良き理解者と成れればと思います。」

先生は、別の世界なんかに住んで居ない様だ。

寧ろ、これからの健人の支えに成ってくれるかも知れない。


私は、若さだけで彼を蔑んで居た事を非常に申し訳なく思い、心から恥じた。

これもまた生きていく上での勉強なのかもしれない。

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