ライフ ライセンス


あたしは恥を忍んでこの想いを二人に伝えた。

もうどうにでもなってしまえという投げやりな発言に近かった。

しかし、涼のご両親はこの
「我が侭」

「こだわり」
と受け止めてくれた。
「ここから近い西日暮里辺りにアパートを探しましょう。」

とお母さんが言った。
「あたし、山下姓の侭でこの子を産みますし、残念ながら涼君の名前は入りません。それなのにそこ迄して頂くのは…」

「涼が居なくなっても美沙ちゃんが来てくれた。素敵なプレゼントも連れて来てくれた。美沙ちゃんの涼に対する気持ちも中途半端ではないし、私はとても嬉しいのよ。美沙ちゃんのご両親に頼まれたつもりで今は居るわ。
名字なんか関係無い。美沙ちゃんは私達の娘よ。いいかしら?」

お父さんを見たら頷いて笑顔を向けてくれた。
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