極上な恋をセンパイと。

頬に熱が集まるのを感じて、テーブルに手を伸ばした。

ダメだ。
聞けない……。


「センパイって、いつもこんなオシャレなもの食べてるんですか?」

「は?なんだよそれ」


あたしがおかしな事言ったみたいに、センパイは首を傾げた。


だって……。


「だって、さっきのお店で出てきたようなものばっかり。うちには果物かと言えば朝食べるバナナだし……チーズだってつまみ用のしかありません」


コーダチーズをパクリと頬張ると、マイルドで芳醇な香りが広がった。
ソファに肘を乗せたセンパイは、あたしを見上げたまま頬杖をついた。



「いいじゃん。俺、バナナもつまみ用のチーズも好きだけど」

「でも!センパイの冷蔵庫にはビールもたこわさも、チーカマもありませんでした!」

「チーカマって……お前、おっさんみてぇだな」



真顔でセンパイがそんな事を言うもんだから、さらに頬が火照る。


がーーん。

おっさん……おっさん言われた。
そうですよ、あたしは仕事終わりのビールを何よりも楽しみにしてる、残念なおっさん女子ですよ!


グビグビっとシャンパンを飲み干すと、なんだか視線を感じた。
もちろんそれは、センパイのもので……。



「お前って、ほんとおかしなヤツだよなぁ」

「……おかしいですか?」


変わってるとか。
面白いとか。



「てゆか、前から思ってたんですけど、センパイあたしに喧嘩売ってます?」


ムッとしていると、太もものあたりがなんだかくすぐったくて視線を落とす。


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