極上な恋をセンパイと。


「抱いてください。一夜限りでもいい……してくれるまで、久遠さんから離れるつもりありませんから!」

「……」

「ね……和泉さん……」


スルスルと胸を撫でる手を、そっと掴んだ。

そのまま自分から引き離す。

逆光になった俺の影に隠れて、白鳥百合が目を見開いた。




「一夜限りでなんて、そんな事ほんとに思ってんの?」

「え?」

「アンタは、もっと自分を大事にした方がいい」


「……」


真っ赤になった白鳥が、グッと唇を噛んだ。
掴んでいた手を離すと、そのまま力なく落ちていく。


その場の雰囲気でして、流されるままになって。
後悔しても、体に傷は残ったまま消える事はない。


俺は、そんなのごめんだ。




はあ、とため息を零し視線を上げた。



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