極上な恋をセンパイと。

「センパイに……振り回されるのは、もう嫌なんです!」


一歩、二歩と後退りする。
目を見開いたセンパイは、何度も瞬きをした。



心臓が加速する。

頭が熱くなる。

喉の奥、痛い。



「なんなんですか? いつもいつも……はっきり言って迷惑なんです!」

「……迷惑?」

「迷惑です! あたしをからかって……そんなに楽しいですか?」

「は?おい、何言って……」



片眉をクイッと持ち上げて、センパイはあたしに歩み寄った。



「いやっ」



――バチン!

肩に触れようと、伸びてきた手を、反射的に振り払ってしまった。


あ……。


口角をクイッと持ち上げたセンパイは、今度こそあたしの腕を掴む。
それは凄い力で、思わず身を引いてしまった。



「…………、お前ちょっと来い」

「……ううっ、」


でも、そんなあたしの意志なんてお構いなしで、センパイは強引にあたしの腕を引いて歩き出した。


「ふ……、っく」


視界が滲む。
ホロホロと涙が頬を伝う。

もう、やだ……。

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