極上な恋をセンパイと。





―――クリスマス。

クリスマスと言えば、家族。
いつからかな、家族が集まってクリスマスパーティしなくなったのって。


駅前のロータリーは、たくさんのカップルで溢れかえっていた。


「……浮いてる」


ひとり立ちすくむあたしは、もちろん浮いていた。
行き交うカップルたちの好奇の目。



ち、違うの!
あたしは人を待ってるの!

別にひとりってわけじゃないんだから。


……ひとりでもいいんだけど。


首に巻いたストールで口元まで覆うと、そこから漏れた白い息がふわりと浮かび上がった。


時計を見ると、19時を回ったところだ。

……会議、まだ終わってないよね。
定例会議だって、長引くと時は3時間とか平気でかかるんだし。


「……」


はあ……。


知らず知らずにため息をついて、慌てて首を振った。



大丈夫。

絶対大丈夫。きっとうまくいく。

自分に言い聞かせるように頷いて、顔を上げたその時。
見覚えのある顔が、慌てて走ってくる姿が見えた。


やっと来た。



「浩介!」


あたしがパッと手を挙げると、すぐに気が付いた浩介が安堵の笑みを零した。




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