極上な恋をセンパイと。

それから会場を後にしたあたし達。
センパイは約束通り、飛行機の搭乗時間まで近場の観光スポットに連れて行ってくれた。


エッフェル塔
凱旋門
そこに続くシャンゼリゼ通り





「わあ!ほんとに真っ直ぐに続いてるんですね。凄い人」


軒を連ねるブランド店に目移りしてしまう。

さすがは流行の最先端だ。
洗練されたアイテムがどの店にも並んでいる。

ふとセンパイの気配がない事に気付いて、ハッとした。

振り返ると、ショーウィンドウの前で立ち止まったセンパイがジッとお店の中を覗き込んでいる。





その横顔は真剣そのもの。

不思議に思って、隣からそっと覗いてみた。

……そこには。


「……へえ、面白いバッグですね。色使いが新しい」


色っていうのにも相性がある。
でも、ここに飾られているのは、相性が悪いと言われてる色使い。
それでもケンカしてないのは、ちみつに計算された、このバッグのデザインだと思う。


そんな事を考えていると、いきなりセンパイが振り返った。

それはそれは、嬉しそうに……。




「だよな? お前もやっぱそう思うよなっ」

「!」


驚いて固まってるあたしなんかお構いなしに、センパイは興奮気味に言った。


「色使いだよな。やっぱ!
人が先入観で違うって思ってる事でも、こうして先にやっちまえばそれが良く見えるんだよ。ビビってちゃダメって事だよな。なんでも一歩先を行くんだ。本当すげーよ」

「……」


ほんの少し頬を赤らめて、うんうんと頷くセンパイ。
その顔は、まるで子供のように無邪気で。

あたしの思考を止めるには十分だった。


「何度来ても、この街は一歩先を行ってる。俺らもそこに追いつけるように頑張んないとな」


バシン!と肩を叩かれたハッとした。

や、やばい。
息するの忘れてた……。


勝手にひとり納得して歩き出したセンパイの背中を、茫然と眺める。






……誰?



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