中学1年生
 なんか、フルート楽しい!

 バレーやめよっかな?



 マウスピースのあと、本体つけたけど、指は全部覚えられなかった。

 続きはまた4月☆って香奈先輩が言ってくれた。


「あんた、バレー行かなくてよかったの?」

 帰り道、お母さんが言った。

 今住んでる所からA中までは20分。

 市内だから行けるといえば行ける。

「あたし、フルートやりたいから」

 お母さんが吹き出した。

「ぷぷっ」

「何!?」

「いや……柄じゃないな、と思って」

 おい。

「運動不足なら大丈夫だから!腹式呼吸は痩せるんだよ!」

「あーそう?よかったわね」

 流すなよ……。

「でも、やりたい部活見つかってよかったわね」

「まーね」

「A中は吹奏楽、強いらしいわよ」

「強いって……運動部じゃないんだから」

「あ、失礼☆うまいらしいのよ。

 お母さんの知り合いの娘さんがA中の吹奏楽なんだけど……。

 フルートすごいうまいんですって!

 個人コンクールで何度も優勝してるらしいのよ」

 フルート?

「名前知ってる?」

「えっとね……

 確か香奈ちゃん☆」

 まじで!?

 あたしはびっくりしすぎてドアを開けてしまいそうになった。←

「その先輩、今日教えてもらった先輩」

「うそ!可愛かったものねえ」

 関係ないから。

「いい先輩に教わったじゃない」

「うん……」
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