中学1年生

ともだち

 次の日、教室に入ったら美奈ちゃんはいなくて、七海ちゃんが自分の席にぽつんと座っていた。

 あたしに気づいた七海ちゃんはあたしに手を振った。

 あたしも振りかえす。

 友達……できてよかった!!

「ねえ、朝芽ちゃんって何部入るの?」

 七海ちゃんが話しかけてきた。

「あたしは吹奏楽入るよ!」

「え、一緒じゃん!」

 うそ!!???

「ほんとに!?」

「うん!じゃあ部活のときは一緒行こうよ!

 あ、うちの友達いるけどいい?

 “憂(ユウ)”っていうんだけど」

 憂……。

「いいよ!!

 ってか、ありがとう♪」

「こっちも!なんか憂と2人だけだったから寂しいじゃん!?」

「そおかな?憂ちゃんに会いたいな♪」

「あ、じゃあ会いに行く?

 D組だよ」

 ということで、あたしと七海ちゃんはD組へ向かった。

「あの、七海ちゃ……」

「うちのことは“七海”って呼び捨てでいいよ。

 うちも“朝芽”っていうね」

「あ、うん」

「で?何?」

「あ、あのさ。

 憂ちゃんって何の楽器やってたの?」

「うちには聞かないで憂に聞くの~?笑。

 憂はコルネットやってたかな?

 ちなみにうちはアルトホルン♪」

「コルネット?アルトホルン?」

 何それ……。

「え?音楽部じゃなかったの?」

「うん」

 あたしは小学校のとき、部活に入っていなくて、楽器といえばピアノとリコーダーだった。
(ピアノは結構ひけたんだけどね。リコーダーは論外)
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