恋スル運命
反論の言葉が見付からないのか神田さんは黙った。



その代わりと言っていいのか私をもの凄い顔で、
般若よりも怖い顔で睨み付けてきた。





その顔にさすがに怯んで後ずさりしそうになったけど、こらえて立ち留まる。






そこへ萌花が包装したグロスとお釣りを持って戻ってきた。




神田さんの顔つきを見て、おずおずと近寄ってくる。



萌花からグロスとお釣りを受け取って、それを神田さんの前へと差し出した。




『私、いつも愛用してる化粧品店があるの。

グロスだって多分そっちで買った方が良い品だとおもうのよね』




は?今さら何言ってるの?

支払い後にクレーム言って嫌がらせしてるわけ?




『それなのにわざわざ出向いて買ってあげたのは、売り上げに貢献してあげようかしらって、気持ちからよ』




お釣りを財布に入れながら話す神田さん。




イヤイヤイヤ………

あなたの目的は私と話がしたかったんでしょう?

そんな言い訳じみた事いわれて私はなんて返せばいい?

買ってくれてほんとに感激ですっ!みたく喜べとでも?




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