ハッピー☆ハネムーン


あたしの意気込みを乗せて、機体は無事に滑走路に滑り込んだ。



狭い機内にぎっしりと乗っていた人達がまだかまだがと降りていく。


あたしと慶介もその後に続いた。




「なんかドキドキするね。 楽しみだよ~」



そう言って、慶介を見上げたあたしは、思わずドキッと胸が弾んだ。
黒いサングラスをかけた慶介と目が合うと、彼は「そうだな」と微笑んだ。



うんん……笑ったみたい。


…だ だって、わかんないんだもん!


そんな黒いのしてるから………



見慣れない慶介に、あたしはなぜか意識して目が合わせられない。
反射的に視線を逸らしたあたしに気づいて、慶介は口元を緩めた。





「アロハ~」



空港に着くと、現地の人がいて首にレイをかけてくれた。

『アロハ』……ここ、ハワイでは挨拶の言葉。


この言葉と一緒に、小指と親指を立てるのがハワイ流の挨拶みたい。






建物の外に出ると、その陽射しの強さにあたしは思わず額に手をかざした。
眩しいくらい太陽の陽が降り注ぐ。



「まぶしぃ…」



手の隙間から零れる光に、日本とは違う強さを感じる。
なんてゆうか……近い。

うん。太陽が近いんだ。



すごい…すごい…



ほんとに来たんだあ……


今更ながら、感動してしまった。



< 3 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop