ハッピー☆ハネムーン
「うわぁ…… ここに泊まるの?」
あたしは目の前の白い建物を見上げた。
一体何階建てなんだろう。
青い空に、どこまでも伸びていくような そんな感じがしてしまう。
そしてその隣には同じ建物が対になっていた。
飛行機からも見えたホテルだ。
このホテルに、あたし達は5泊する事になっていた。
ホテルマンに案内されて部屋へ入ると、まず驚いたのはベランダから見える眺めだった。
「すごぉい!! …これがオーシャンビューだねっ」
オーシャンビュー。
ほんとに窓から見える全てが海。
海と空の境目がわからなくなる程、目に入る“青”に目眩がしそうだ。
慶介は手にしていた荷物を床に置きながら、鞄の中身をチェックし始めた。
「すごい すごいっ!ハワイっぽぉい」
「……ハワイっぽい?」
あ……。
はしゃいでいるあたしの言葉に、慶介は動かしていた手を止めた。
「…あは…あはは」
我ながら恥ずかしい…。
あたしを見つめる慶介の視線が…い…痛い…