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第四章・悪夢
その夜の出来事だった―――


裂君の様子がおかしかった。


「・・・っ・・・んぅ・・・」
いつも同じ部屋で布団を敷いて隣で眠る裂君。
たまにいびきをかいて五月蝿い事もあったが、今日は違った。
「・・・うなされてる・・・?」
まるで何かに憑かれたようにうなされている・・・
だからと言って僕にどうこう出来る問題ではないが、さすがに気になって眠れない・・・
「・・・悪い夢・・・見てるのかな・・・?」
さすがに心配になってきた僕は裂君の寝顔を見る。
普段は他人の寝顔なんて見ないようにしているのに今は状況が違う。
心の奥底から裂君が心配だった。
その時だった。
「・・・とぉ・・・ちゃん・・・かあちゃん・・・」
「!?」
うわ言のようなその言葉・・・
僕は先程の裂君の言葉を思いだした。


― 俺の両親は・・・もう死んじゃったんだ。 ―


両親は死んでもう居ないと告げた裂君・・・

だとしたら今、見ている夢は・・・

「・・・」

そう思った矢先、僕の中で“好奇心”・・・いや、“興味本位”と言う気持ちが大きくなっていった。

そして、手を伸ばした。

何故、そうしたのかは分からない。

だけど、僕は気が付けばその手を・・・


眠っている裂君の額に当てた。
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