マイワールド
私は悔しくなんてなかった。

独りにはならない確信があるからだ。

裕也と明――。

あの二人は私を裏切らない。

「別にいいよ。

私も、嫌われてる人と一緒にいるつもりなんてないから。」

私は被害者だ。

何も悪くない。

そう思っていれば落ち着く。

「彩音は……本当にいいの?」

先生が私の顔を覗き込んだ。

「大丈夫です。

友達いますから。」

私は堂々と答えた。


弱い人間も、立場によっては堂々とできるのだ。

そう思ってしまう自分に少しだけ苛立ったが、
今ぐらい、自分に甘えたって許されるだろう。
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