マイワールド
「おはよ!」

裕也がやって来た。

「おはよう。

明と野兎は?」

「向こうで待ち合わせ。」

「そっか。

初デートがダブルデートかぁ……。」

「嫌なの?」

「明はいいけど、野兎が……。」

「大丈夫だって。

途中から別行動になるから。

多分ね。」

「『多分』ですか。」

「気にすんな。」

待ちに待った一日が始まった。

本当は時間が止まってくれたらいいとも思っている。

旅行と一緒で、楽しみにしているときが一番幸せなのだ。

始まってしまったら本当にあっという間。

だから、今日は一秒も無駄にしないで過ごしたい。


電車に乗った。

「親とか来ないの?」

「うん。

私と裕也の二人にしたいんだって。

正確に言うと、明も野兎もいるけどね。

多分、明日くらいに見に行くんじゃないかな。」

「へぇ。

友達は?」

「カナッペのこと?」

「……とか」

「カナッペは……はると見に行くんだって。

他の人は、私が『ライオンの爪』に関係があるなんて知らないよ。

自慢になるのヤだから話してないし。

ちなみに、はるも知らないよ。」

「自慢すりゃいいのに。」

「しないよ。」

目的の駅に近づいていく。

もう少しゆっくりしたい。

でも早く映画が見たい。
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