マイワールド

「せっかくここに来たんだから、
ちょっと楽しんでいかない?」

裕也と星川さんを許した私は、気を取り直した。

「健ちゃん、こいつに狩り見せてやったら?」

裕也が私をチラリと見た。

「彩音ちゃんが見たいならいいけど、
嫌ならやめた方がいいよ。

見せ物じゃないし。

どう?」

「あ、私ですか?

血とか無理なんで、
見たくないです……。」

「わかった!

じゃぁ、どうする?」

しばらく沈黙が続いた。

「じゃ!

ドイナカ体験してみる?

いろいろ発見あるかもよ。」

星川さんが立ち上がった。

「行くかぁ!」

裕也が私の手を引っ張った。


ドキン――。

「ちょっ!」

私は自分の手を引いた。

「どうしたの?」

裕也は目を丸くした。

「ははっ。

彩音ちゃん、
もう付き合ってるのに、まだ心臓ドキドキいっちゃってる?」

星川さんは私の頭に手をあてた。

「ユウくん、彩音ちゃんのこと大事にしてやれよ?

こんなにいい彼女できて、幸せだろう?」

「何だよ、それ?」

裕也は照れ臭そうにして、先に外へ行ってしまった。

「気にするなよ。

ユウくん、彩音ちゃんが好きで好きでたまらないんだから。」

「それはないですよ……。」

私は星川さんについて歩いた。

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