身代わり姫
手紙には、今や恋人となった魔術使いとの冒険が綴られています。

弟子たちは、新しい薬草や、秘められた魔術を探す旅に出ているのです。

楽しそうで、ハラハラする手紙を読む度に、魔術使いは年老いてしまった自分を残念に思うのでした。

一番新しい手紙には、弟子のふるさとに向かうと書かれていました。
あの小さな田舎町の隅にある家。
その家の木戸を、頬を染めて叩く娘の姿が思い浮かびます。


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