君と共に

4人で他愛もない話をしながら歩いていたら、あっとゆう間に昨日信吾に会った場所に差し掛かった。

無意識に、辺りを見回して。

信吾の姿が見えないことにホッと息を吐く。


「…杏奈?」


紗結が心配そうにあたしの顔を覗き込む。


「此所だったのか?」

「うん……。
あ。大丈夫だよ!みんなしてそんな顔しないでよー」


アハハー。
笑って、立ち止まってしまった紗結たちを駅の方へと誘導する。

存外にみんな心配顔で。

なんだか申し訳ない気持ちになる。


「んもうっ!
……あっ。噂の彼いないのかな?」


噂の…って。
助けてくれた人?

頭の中で、紗結の言葉を反芻する。

……それが目的だったの!?


「違うわよー。杏奈が心配なんだもん。ね?」


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