緋色の奇跡
Ⅲ:2人きり
「はよーっす」


昨日の一件から、避難所に帰ってしばしの休息をとった瑞杞たち

決して安眠だったとは言えない睡眠から目覚めた凌は、泉に挨拶した

それから辺りをキョロキョロと見渡して、1つの疑問にたどり着いた


「あれ?瑞杞と南野は??」

「それが俺が起きた時には既にいなかったんだ……」


泉の言葉に凌は、ちょっと外を探しに行こうかと思って立ち上がった

同じ事を思ったらしく、同時に立った泉と共に体育館の入り口へと向かう

開けっ放しのドアから外に出ようとした瞬間、外から中に入ってこようとした女性とぶつかりそうなった

「すいません」と謝りながらその女性を見ると、相手は沙良だ


「南野!お前どこ行ってたの?ってか瑞杞は??」


質問を一気に投げかけられて戸惑う沙良の後ろから、スッと前に出てきた1人の女性

そのショートカットの女性が凌を見上げた瞬間、凌と泉は驚いて絶句していた


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