星屑のナミダ
ケンカ
僕が5年生の頃、階段の近くで紗希と他愛もないケンカになった。


そのとき頭に血が昇った僕はつい彼女を突き飛ばしてしまった。

よろけた彼女は階段から落ち、手足に怪我を負ってしまった。


その夜、僕は母親と共に紗希の家に謝りに行った。


僕は俯いたまま母に促されて

“ごめん”

と一言呟いた。


そのときからどうも二人の関係はぎこちなくなりだした。


彼女を押した手の感触は今でもこの手に残っている。
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