【短編】こんな恋もありでしょ。


バッと顔を背けたあたしは



「な、何でいるの?」



そう言うのがやっと。



「葵が電話に出ないからだろ?」



“葵”



こんな距離で言われた名前に、昨日のことをリアルに思い出してしまった。



『葵、こっち見て』

ベットの上で、そう言われて見た那央は妖艶で男の癖に妙に色っぽくて。

そのまま何度も深いキスを交わした。


カーッと顔が熱くなるのがわかる。


それを隠すように手で覆い下を向いた。



「……昨日のことだけど」



そう那央が言い出す。



< 38 / 100 >

この作品をシェア

pagetop