現実主義者‐リアリスト‐
囚人A
「囚人番号2089、アンナ・ザーギン。カウンセリングの時間だ。」
「はい。」

毎日繰り返されるカウンセリング。
今日も答えが見つからない迷宮へ押し込められる。
同じ言葉のループを繰り返し、結局はスタートに逆戻りするのだ。
この迷宮にゴールはないからだ。
だが今日も同じ迷宮へ私は旅立つ。
それが義務だからだ。
重い腰をあげ、のろのろと牢獄を出る。
ここは答えを求めるAー108番牢獄。
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