兄貴の想い

そして、冷たい風が吹き荒れる中、とうとう受験の日がやってきた。



その日の朝、妙に朝早くからヒデは起きていたようだ。



私もいつもより早く起きたのだが、ヒデはその時にはすでにキッチンで何やらガサゴソやっていた。



そぉ〜っとのぞき込んでみると、なんとトンカツを揚げていた。



なんてベターな展開。



受験の朝にトンカツなんて、今時テレビドラマでもないだろう。



『うわぁ〜…』



と言った私の声でヒデは私に気付いたようだ。



ヒデはすごい得意気に、


『おはよ!どうだ!!今日は特別にトンカツだ!』



と、張り切っていた。
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