君とはじめて。〜契約恋愛〜

「いくら父の伝えだとしても、あたしはあなたと仲良くする気はありません。
むしろ二度と会いたくないです。もう一生話しかけないでください。
……さよなら」

強く宣言するかのように言い放ち、再び戻ろうかとした、その時だった。


――グイッ


いきなり捕まれた奈緒の腕。

力強くひっぱりながら、違う部屋に入ろうとする椎也。

「…ちょっ!放して!!痛…っ」


近くにあった部屋を開き、すぐさまドンッと壁に奈緒を押し付ける。

誰もいない、薄暗い部屋。

分かることは壁に両手で塞がれ、強い力で動けないように握り抑えられる奈緒の手。


「何するの?!…やめてよ!放して!」

(…全然叶わない。ビクとも動かない…)


自ら手を放そうといしてもビクとも動かないその手に焦りだす奈緒。

いくらなんでも、この体制は―…!

そう思った時だった。


「…っ!…んっ…」

いきなり押さえつけられた唇に目を大きく開いた。

(…え?!)



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