ロマンス@南国
 あたしにしてみれば、年下の彼氏である喬は自分に絶えず奉仕してくれる存在だ。


 セックスに関しても、あたしが常に主導権を握っていた。


 あたしが上に乗ることが断然多かったし、実際今の若い男性は全般的にセックスするにしても奥手なのである。


 喬も歌舞伎町でホストをやっているにしては、女性との性交が下手なようだった。


 下手と言うより、慣れていないのかもしれない。


 あたしは彼の溢れんばかりの性欲は肯定していたし、セックスにしても大歓迎だった。


 生き物――とりわけ哺乳類(ほにゅうるい)である人間にとって、性行為は一番愛情を確かめ合える行為だからだ。


 ただ、不幸なことに若いうちに経験してしまえば何ら躊躇いなくやれるものの、喬はそういった性体験が希薄なようだった。
 

 気持ちがあったにしても体までは付いていかないからである。


 おまけにあたしは騎乗する方がよかった。


 そっちの方が快楽を味わえるからだ。

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