キミが大好きだから〜陽菜へ〜
「お前…大学はやめるのか?」


俺はカズマに尋ねた。


親父さんに半ば反対されながら大学院に通ってる奴にとって大きな問題だと思ったから。


「そこは微妙だな…。まだ辞めたくないんだけど、親父も最近弱気になってきてるから…」


俺には社長の堂々としたとこしか想像できないけど。


それはきっと息子だからわかる父親の一面なんだろうな。


少ししんみりした空気を切るように、俺はわざと話題を変えた。


「ま〜、カズマが来たら会社の女たち喜ぶぞ〜。入社祝に誰か紹介してやるよ」

カズマは少し呆れたように笑って椅子から立ち上がりながら言った。


「俺はそんなのどうでもいいんだよ…それよりハル…お前本気で付き合ってる子いるのか?最近またひどくなってるぞ。さっき紺野さんもえらい心配してたし」

紺野、余計なこと言うなよな。
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