flower music
「ねえ。まだ?」









たまりかねたのか、向日葵はじれったそうに聞いてきた。









「・・あ。もういいよ。」








俺はすっと向日葵の傍を離れた。










「じゃあね。あたし、海斗が待ってるし。」








突然すぎる別れ。









「え・・・・何で?もっと遊んでもいいじゃない。」








「う~ん・・・。でも海斗が待ってるから。」








そう言って彼女はふわりと立ち去った。









「あ!!ちょっと!!」









そう呼びかけたけど、もう彼女はあいつの方に行っていた。









そこで俺は見てはいけないものを見てしまった。









海斗と・・・・・・向日葵のキス。









それはさっきまでのキスとは違い、海斗も向日葵も、ちゃんと目を開けていた。









幼かった俺には心苦しい光景だった。
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