かみさまごっこ

2.ヒトバシラ

「南雲さん」

「どうかしたの?」


ある日研究所の南雲さんの個室にいた時の事でした。

1冊の小説が目に止まり勝手ながら読ませていただきました。とても興味深い内容でした。

その文中にて意味が分からない言葉があり、辞書で調べてみました。

しかしどうしてそのような事をしなければいけないのかが、私には理解する事が出来ませんでした。


「どうしてこのような物が必要なのでしょうか。こんな事をしなくとも他に方法がある筈です……」

「ああ、妙に静かだと思ったらその本を読んでいたの?」


私は頷きました。そして南雲さんは昔はそれが習しで、今はやっていないと教えてくれました。

それはそれで安心しました。今でもこの習しがありましたら、私は許せないでしょう。

ですが、習しだった頃に犠牲となった方々があまりにも辛い運命を辿っているように感じました。

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