かみさまごっこ
side SR

1.愛を奏でる

某月某日、救世の力を持つ宮園志那は冴村蒼一と久々の再会を果たす日であった。

志那はやはり相変わらず黒色のワンピース姿であった。彼女曰く黒は落ち付くそうだ。

待ち合わせ場所で蒼一を待っている志那。数分後、彼が現れた。

志那の傍まで歩み寄り、再会を喜んでいた時の事であった。彼女の頭上から何かが落ちて来た。

それに真っ先に気付いたのは蒼一だった。慌てた彼は彼女を抱き寄せた。

何の事だかサッパリの志那。そして次の瞬間。

志那がいた場所にはビルの上に取り付けられていたであろう看板が落ちて来た。

鈍い音が静まれば、次に聞こえたのは騒がしい声。


「怪我はないか？」

「はい、大丈夫です」

「良かった……きっと、ネジ緩んでいたか古くなっていたんだよ」


志那は自分が抱き寄せられている事に気付き、解放を求めた。

無我夢中だったからなのか、彼女を抱き寄せた事をすっかり忘れていた蒼一は彼女を放した。

その後、警察が駆けつけて2人は事情説明をする事となった。それに時間を取られた所為か、

予定していたスケジュールの大半が実行されずに終わってしまった。
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表紙・目次

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