*制服のボタン*バレンタインの憂鬱*陵弥


「どうすんのソレ…」



凜花の言葉に苦笑い。




…あはは…





「こんなにチョコ貰ってたべきれないね…じゃコレ、いらないね」




って、俺の目の前に差し出された紙袋。




慌てて俺は。




「ちょ、ちょっと待て。
コレは返そう…」





本気で焦ってんだけど…



そんな俺を見て、凜花が笑った。




「いいよ。ちゃんと持って帰って」




「はぁ?」



何で?…持って帰えったら凜花のは貰えないんじゃ…


?マークの俺に。




「私が食べるからいいよ」



って、紙袋に下駄箱のチョコを入れ始めた。





そこへ、後から来た卓と沙織ちゃん。





「見ろ、陵弥なんかちゃんと持って帰るぞ!何で俺はダメなんだよ。凜花ちゃん心広いねー」




って、言った卓を隣の沙織ちゃんがジロリと睨んでた。





…怖ぇー …




卓の下駄箱見たら、どうなるんだ…




俺、しーらないッ!






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