キャンパスで 手をつないで
第一章    美花先輩の恋
「結婚するなら、二番目に好きな人とするのが、絶対、いいよね。」

美花先輩が言った。
「え~。どうしてですか?」

「だってサ、結婚したら、お金の事で喧嘩したり、オナラしたり、年とって、しわしわの顔見られたり― 一番好きな人に、一番嫌なところ、見せなきゃいけないんだよ。」

「見せなきゃいいじゃないですか?」

「無理、無理。見せちゃうって。だから、私は、二番目に好きな人と、結婚するよ。そしたら、適当に好きで、適当にどうでもいいからね。」

「なんか、淋しくないですか?アタシは、一番好きな人と、結婚したいな。」

「できれば、イイケドさ。」


 昼休みの大学の、カフェテリア―

アタシ、美花先輩が、強がり言ってると思った。

大学三年生の美花先輩は、この間失恋したばかり。年下の彼氏を、入ってきたばかりの、新入生にとられた。
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