真夜中の向日葵

夜の国道は誰と一緒に行っても同じ顔。

でも、僕にだけは違って見えた。


柚羽さんと一緒だと、車やバイクのライトはどれも憂いを帯びていて、とても悲しく見えた。

幸喜たちと一緒だと、ただのお祭り騒ぎに過ぎなかった。





「夏休み終わったら受験一色だなぁ」



眩い光が散りばめられた国道を眺めながら、健二が嫌なことを言う。

幸喜はとても不愉快な顔をして、健二に肘鉄を喰らわす。



「てめ、ヤなこと思い出させんなよ。今は受験の話はすんなっ」

「…ってーなぁ。ちょっと言ってみただけだよ」



2人は子供のようなケンカを僕の前で繰り広げる。

僕は笑ってそんな2人を見ていた。

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