幸せの契約
「平瀬さんが大学を卒業して就職するまで、私に援助させていただきたい。」



援助?


「学費、生活費など金銭面は全て私が援助します。」


「そんなことっっ!
出来ません!!」


見ず知らずの人にそこまでしてもらうわけにはいかないよ



でも
蔵之助さんは引き下がらない


「そんなに堅苦しく考えることじゃないですよ。ただ、金をもてあましている頭の壊れたオヤジからの謝礼だと思って…。
承諾してください。」


この人…本当に頭壊れてるんじゃ…?


だって
普通、こんな事はあり得ないよ


疑惑と混乱の中で葛藤する私に蔵之助さんはさらに言葉をかける


「私がこれほど頭を下げても…承諾してはくれませんか?」


日本の経済界のトップが私に深々と頭を下げる



どうしよう…



“貴女はもっと幸せになるべき”



蔵之助さんの言葉と私の過去が私の意思を揺るがした

< 13 / 214 >

この作品をシェア

pagetop