幸せの契約
近くのスーパーを目指して歩く



不意に前を歩いていた男の人が大きくよろめいた



え?


私は驚いて彼を見る


すると
彼はガクンと膝から地面について倒れた



ヤバッ!


思ったときには駆け出していた


男の人に駆け寄って状態を確認する


呼吸はしてる

「大丈夫ですか!?
きこえますか!!」



私の呼び掛けに男の人は弱々しくうなずいた


良かった


「今、救急車呼びますから!」



携帯電話を取り出してボタンを押そうとしたときだった



私たちの横に一台の車が止まった



そして
その中から出てきた二人のスーツ姿の男


「後は私たちが変わりますので。」


そう言って私を引き離すと、倒れていた彼をそっと立ち上がられた



「ちょっ…!」


心配になる私にスーツの男が言う


「我が主人を助けていただきありがとうございます。後日、改めてお礼とご挨拶に伺いますので、お名前をお聞きしたいのですが。」


すごく丁寧な口調と
手際の良さに呆気に取られ私は呟くように、自分の名前を口にした



「承知いたしました。平瀬様。本日はご無礼をお許しください。
失礼いたします。」


男が乗り込むと車は音もなく走り去った
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