【詩集】水のない海を泳ぐように

僕は きみの

その一瞬だけ

そう ただ一瞬だけでいい

呼吸が止まるのが 好きだ

僕は狂っている

熱いクビに手をまわすと
きみの息を飲む感覚が伝わる

それが たまらなく 愛しい


僕の愛って なんだ

僕にとってのきみって なんだ

いつも 僕は迷路のなか

出口も入口も見つからなくて

苦しくて 心許なく さまよっている


分からないんだ

きみにとっての僕って なんだ

僕はまた きみのクビに手をまわす

きみの呼吸が止まる瞬間が好きだから



ああ、きみにとっての僕は
ただの狂人か


< 9 / 31 >

この作品をシェア

pagetop