ビターチョコレート



手すりによっかかって、空を見ている。

・・・モテる男の背中ってやつ?
そういう格好に、少し胸が鳴る。

あたしの足音には気付かないらしい。


思い切って、

声をかける。



「・・・笠原くん?」


そして、


ゆっくり振り返る。


「あ、お前か。」


少し、微笑んで。


「どうした?

本命に・・・、チョコ渡したのか?」


わかんないの?



・・・この、雰囲気で。


「あの、ね。」

< 24 / 31 >

この作品をシェア

pagetop