ビターチョコレート
はっと、顔を上げる。
そこにあったのは、優しく、微笑んで。
あたしを、見てる。
「・・・もらってくれるの?」
「俺にくれるんだろ?」
「だって・・・。
・・・彼女、いるでしょ?いいの?」
「・・・・・・・は?」
あ。
やっぱり、あたしの妄想だったみたい。
あたしの頭の上に、手をおいて、
「いねーけど。何言ってんの?」
って、言った。
「じゃ、じゃぁ、なんで、チョコ断ってたの?
・・・なんであたしのチョコは、
受け取って、くれるの?」
「それは・・・。」