職場内恋愛





ホームルームの最中、俺の頭の中はまったく違うことを考えていた。

さっきの京地の言葉が頭から離れない







――「美優さんのこと…まだ好きなんですか?!」




犯人はアイツだ。

………涼


涼以外にあり得ない


俺と美優のことを知っているのはこの学校に涼と俺以外にいないんだから。



『んなワケないだろ』


そう言った俺の表情は絶対に引きつっている。



『美優』


この名前を思い出す度に
心の奥に閉じこめていたキモチが溢れ出しそうになる。


この名前を耳にする度に
胸に深く刻まれた傷が痛み始める。



まさか京地の口から美優の名前が出るとは思っていなくて。



「センセ?大丈夫??」

そんな声に我に返った。



「もうチャイム鳴ったよ?」

そう言われて俺は教室を出た。


ダメだ…

今俺は何も手につかない。


生徒達にもあんな顔をさせてしまった


教師…失格だな








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