〈企〉バレンタイン限定彼氏
「誰がひどいの?」

「えっ…?」


私が横を見上げると

不機嫌な顔をした夏樹くんがいた。


「えっいや………

なんでもないよ…」

「俺でしょ?」

「ちがっ「違くないだろ?

いいんだよ、

はっきり言って。


俺は傷ついたりしないからさ」





―――――傷つかない…。





「そうなんだ…


そうだよ……

私は夏樹くんのこと“ひどい男”って

思った…。


「チョコちょーだい」

とか

「“繭”よろしくね」

とか……


なんでそんな簡単に

そんなこと言えたり

簡単に呼び捨てにしたの?!」


「……簡単に…















なんてことあるわけないじゃん」
< 11 / 20 >

この作品をシェア

pagetop