憂鬱な姫君 (姫シリーズVol.5)
急に止まった音楽に大ブーイングの集団は、一斉にデッキの横に立つココを見た

ココは、止まってしまった音楽を気にとめる事もなく、輪の中心で踊っているジョーを冷めた目でみている

そんなココに気付かないジョーと、ココを見て

"やっべ・・"

という表情をしたケーゴがジョーの腕をひく

「なんだよ?」

ダンスを邪魔されたジョーはケーゴに噛み付くが、ケーゴの視線の先に腕を組んで立っているココをみて、ケーゴと同じ表情になった

「ココ! なんだよ? 今すげ~盛り上がってんだよ?」

「そうだよ! 邪魔すんなよ?」

ココに飛ぶブーイング

集団に囲まれているココの姿は、ブライアンの視界には入らない

ケーゴとジョーも場の空気でココが回りから非難されている事を察し

「ソーリー ソーリー」

と愛想笑いをし、集団からココを連れ出した

ものすごく不機嫌なココは、一言も喋らない

そんなココを見下ろすジョーとケーゴは苦笑いをするしかなかった
< 167 / 202 >

この作品をシェア

pagetop