憂鬱な姫君 (姫シリーズVol.5)
漆黒の闇の中、降るように輝いていた星たちがその存在を消し、夜空は群青色へと変わり、そして真っ赤な朝焼けの空へと変化する
静止していた世界が動き出した・・そんな時間を切り取る北斗
レンズ越しのココの姿
いつの間にか、北斗のカメラはココを被写体として夢中でシャッターを切っていた
すぐにフィルムを使い切り、アシスタントから手渡される次のカメラ
周りのスタッフもその事に気付き、驚いた様子で撮影を見守っていた
ココだけが、その事に気がつかず、昨日同様、自分は世界の一部として撮られていると思っていたのだった
こうして太陽がすっかり上がったころ、ココの撮影は終了したのだった
「ココちゃん、お疲れ様」
「あっ、お疲れ様です!!」
ココは刻一刻と変化して行く自然のショーの素晴らしさに、一気に毒気を抜かれ、すがすがしい気分だった
「いいのが撮れたよ! ありがとう」
北斗の言葉も素直に体にはいっていく
「よかったです! 私こそ、良い経験をさせてもらいました」
ココは北斗に頭を下げた
「お礼を言いたいのはこっちだし!」
北斗はココの頭にポンッと手を乗せた
「北斗さんはまだ午後も撮影なんですよね?」
「そうだね その為に来ているからね! 」
「なんか私だけすみません・・」
「いいんだよ? ココちゃんはゲストなんだから!」
北斗のその言葉にココはサーッと体温が下がるのを感じた
“ココちゃんはゲストなんだから!”
そう・・
私は、今回限りのゲスト
北斗との話を早々に切り上げたココは引きつる顔を必死に隠しながら、足早に撮影隊を離れたのだった
静止していた世界が動き出した・・そんな時間を切り取る北斗
レンズ越しのココの姿
いつの間にか、北斗のカメラはココを被写体として夢中でシャッターを切っていた
すぐにフィルムを使い切り、アシスタントから手渡される次のカメラ
周りのスタッフもその事に気付き、驚いた様子で撮影を見守っていた
ココだけが、その事に気がつかず、昨日同様、自分は世界の一部として撮られていると思っていたのだった
こうして太陽がすっかり上がったころ、ココの撮影は終了したのだった
「ココちゃん、お疲れ様」
「あっ、お疲れ様です!!」
ココは刻一刻と変化して行く自然のショーの素晴らしさに、一気に毒気を抜かれ、すがすがしい気分だった
「いいのが撮れたよ! ありがとう」
北斗の言葉も素直に体にはいっていく
「よかったです! 私こそ、良い経験をさせてもらいました」
ココは北斗に頭を下げた
「お礼を言いたいのはこっちだし!」
北斗はココの頭にポンッと手を乗せた
「北斗さんはまだ午後も撮影なんですよね?」
「そうだね その為に来ているからね! 」
「なんか私だけすみません・・」
「いいんだよ? ココちゃんはゲストなんだから!」
北斗のその言葉にココはサーッと体温が下がるのを感じた
“ココちゃんはゲストなんだから!”
そう・・
私は、今回限りのゲスト
北斗との話を早々に切り上げたココは引きつる顔を必死に隠しながら、足早に撮影隊を離れたのだった